風邪の原因となるウイルスはたくさんありますが、その中にRSウイルスというウイルスがいます。
RSウイルス感染では、一般的に咳が多くなり、高熱が出る場合もあり、症状はやや長引くことがあり、保育園やこども園など、小さいお子さんの集団生活で流行がみられることがあります。
一言に「流行」と言っても、例えば、以前のように新型コロナウイルス感染が大流行している状態なのか、現在もコロナが少し増えてくることがありますが、それを「流行」し出したと言っているのか、によって、どれくらい多いのか、どれくらい気を付けたほうがいいのか、が変わってきます。言葉が一人歩きして、判断が難しい場合もあるので、ご心配な場合は、今の実際の流行状況について、診察室でお尋ねいただければと思います。
【RSウイルスの特徴】
・RSウイルスは、風邪のウイルスの一つで、抗生剤は効きません。 ただし、細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生剤加療が必要となる場合があります。
・インフルエンザの検査と同じようなキットで行う抗原迅速検査がありますが、 それを行い、RSウイルス感染と診断がついても、RSウイルス用の特効薬はありません。
・抗原迅速検査を行うには、インフルエンザと同じように細い綿棒のようなスワブを、
鼻の奥まで入れて鼻汁を採取しますが、鼻がつうんとなり痛くて、涙が出ますよね。
確定診断がついても特効薬がないことを考えると、検査はどうしても必要な場合に限って 行うのが望ましいと考えます。
・また、RSウイルス感染と診断がついても、インフルエンザや新型コロナウイルスのように、
出席停止期間の設定はなく、熱が下がり、それなりに症状が改善すれば、 登園や登校することが可能です。
・喘息のような症状が出現することがあり、その際は喘息に準じた治療を行う場合があります。
・1才未満など小さいお子さんで、肺炎を発症し、入院が必要となる場合がまれにあります。
以上のような点を踏まえつつ、他の風邪や胃腸炎と同じですが、対症療法を行い、徐々に改善すれば様子をみることができますし、症状が続いたり、悪化したり、心配な点があれば、当院など医療機関にご相談ください。
ご家族やご自身の体のことで心配になるのは、多少の個人差はあっても当然のことです。ご心配な際は、もちろん早めに受診していただいて大丈夫です。
冬の風邪と思っていたら、気が付けば、もう夏風邪が流行る時期になってきました。4月から新年度となり、小さいお子さんでは、集団生活でどうしても繰り返し風邪や胃腸炎に罹患してしまうことが少なからずみられます。保護者の方は、お子さんのケアも大変で、ご自身がうつってしまうこともあるでしょう。
当院ではお子さんと大人の方と一緒に診察をさせてもらうことも可能です。体調不良の際は、お気軽に当院までご相談いただければ幸いです。