• 結論:汗のかきすぎは肌荒れの原因になり得る
     汗自体は本来、皮膚の温度調整や保湿に役立ちますが、過剰な発汗放置により、肌にダメージを与える要因になります。
  • 汗の塩分が肌を刺激する
     汗には塩分(ナトリウム)やアンモニア、尿素、乳酸などが含まれており、長時間肌に残ると角質層を傷つけてバリア機能を低下させる原因になります。特に乾燥肌・敏感肌の人は赤みやかゆみを起こしやすくなります。
  • かゆみや炎症を引き起こす「汗疹(あせも)」
     汗腺が詰まり、汗が皮膚の内側にたまって炎症を起こすと「あせも」が発生します。小さな赤いブツブツや強いかゆみが特徴で、特に汗がこもりやすい首・脇・背中などに起こりやすいです。
  • 皮脂と混ざって毛穴が詰まりニキビの原因に
     汗が皮脂と混ざると、毛穴を詰まらせて「汗ニキビ」や「湿疹」の原因になります。特に夏場や運動後、こまめに洗顔や拭き取りをしないと、ニキビが悪化しやすくなります。
  • 雑菌の繁殖による肌トラブル
     湿った状態が続くと、雑菌(黄色ブドウ球菌やマラセチア菌など)が繁殖しやすくなり、「汗臭」や「皮膚のかゆみ」「炎症性皮膚疾患」の引き金になります。とくに蒸れやすい部位は要注意です。
  • 衣類との摩擦で肌がダメージを受ける
     汗で湿った肌と衣類が擦れると、摩擦刺激で肌表面が削れやすく、赤み・かぶれ・色素沈着の原因になります。下着や服の縫い目部分に沿って肌荒れすることもあります。
  • 汗を拭きすぎることでバリア機能が低下
     清潔に保とうと汗を何度も拭きすぎると、肌表面のうるおいまで奪ってしまい、逆に乾燥・刺激を受けやすい状態になります。柔らかい布で「押さえるように拭く」ことが大切です。
  • 香料入り制汗剤が肌刺激になる場合もある
     制汗剤やデオドラント製品の中には、アルコールや香料などの刺激成分が含まれており、肌が敏感な人では湿疹や赤みの原因になります。肌に合った低刺激のものを選びましょう。
  • 肌荒れを防ぐための基本対策
     ・汗をかいたらすぐに洗い流すか、やわらかい布でやさしく拭き取る
     ・通気性の良い衣服を選び、こまめに着替える
     ・シャワー後や汗をかいた後は保湿ケアを欠かさない
     ・かゆみや炎症が出た場合は皮膚科を受診する
  • あせも・湿疹がひどいときは医療用外用薬も検討
     市販のあせも用ローションやステロイド入り軟膏を使うと症状が早く改善する場合があります。自己判断が難しいときは皮膚科医の診断を受け、適切な治療を受けることが推奨されます。

このように、「汗そのもの」は肌に悪いわけではありませんが、かいた汗を放置したり、拭きすぎたり、衣類の摩擦が加わることで肌荒れに発展しやすくなります
肌トラブルを防ぐためには、汗の後処理と日頃のスキンケアの見直しが非常に大切です。